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カメラマンが教える!スマートフォンで今を美しく残す方法― 何気ない日常を、思い出に変えるスマホ撮影術 ― 

写真は「心の記録」

家族と過ごす時間は、気づけばあっという間に過ぎていきます。
お孫さんの笑顔、食卓での会話、庭の花が咲いた日――
そんな何でもない日常こそが、振り返ると宝物になります。

今は、スマートフォンひとつで誰でも簡単に写真を撮れる時代。
ただ「撮る」だけでなく、少しの工夫で「心まで残せる一枚」に変えられます。

この記事では、ウェディング撮影を中心に15年以上活躍するプロカメラマン原啓之さんに、あなたの“今”をスマートフォンで美しく残すための、明日から実践できる撮影のコツを伺いました。

カメラマン 原 啓之(はら ひろゆき)さん

1. まずは知っておきたい!スマホ撮影の基本設定

原さん

スマートフォンで手軽に写真が撮れる時代ではありますが、ちょっとした設定や工夫をするだけで、写真の仕上がりはぐっと良くなります。

どの機種でも共通して、最初に設定しておくと便利なポイントはグリッド線をONにする(画面を縦横3分割する線)ということ。

構図のバランスが取りやすくなり、風景写真はもちろん、人物撮影でも安定感のある写真が撮りやすくなります。

iPhoneでグリッド線を設定する手順

設定アプリ > カメラ > 「グリッド」をONにしてください

設定アプリ

カメラ

「グリッド」をON

Androidでグリッド線を設定する手順

カメラアプリ > 設定 > 「グリッドライン」をONにしてください

カメラアプリの設定

「グリッドライン」をON

《 グリッド線を引くとどんな違いがある? 》

グリッド線を表示することで、水平・垂直を意識しながら撮影できるようになり、構図が安定します。
また、被写体を配置する位置の目安にもなるため、全体のバランスが整った、見ていて気持ちのよい写真に仕上がります。

水平に撮影できている写真

斜めになっている写真

写真がうまく見えない原因の多くは、実は少しの傾きです。
写真は違和感がないことが大切。
グリッド線を目安にするだけで、写真がグッと安定して見えるようになります。

2. 光を味方につける ― 室内・屋外での撮り方の違い

原さん

写真の印象を大きく左右するのは 「光」です。
同じ被写体でも、光の当たり方や向き、強さが変わるだけで、写真の明るさ・立体感・雰囲気は大きく変わります。

室内と屋外では光の性質が異なるため、それぞれに合った撮り方を意識することが大切です。

室内撮影のポイント

室内では、光を「足す」よりも「選ぶ」ことが大切です。
「自然光」を意識するだけで、写真の印象は大きく変わります。

・窓際の自然光を使ってみる
・逆光のときは「被写体を少し斜めに」して光を受ける
・カーテン越しの光は“レフ板”代わりに使える

自然光で撮った場合 柔らかい印象になる

蛍光灯で撮った場合 はっきりとした印象になる

屋外撮影のポイント

屋外での撮影では自然光をどうとらえ、どのように活かすかが鍵です。
考え方は室内も屋外も基本的には同じですが、天候や時間帯による光の色や使い方次第で表現の幅が広がり写真の中でドラマが生まれます。

順光で撮影

順光とは撮影者側から被写体の方へ光が向かっている状態のことを指します。
ひとことで言うと「見たまま」「きれいに」撮れる光。

光がカメラ側から被写体に当たるため、顔や物の形、色が素直に表現されやすくなります。

真正面から引きで撮ると「見たまま」「きれいに」撮れる

少し横から寄りで撮ると、奥行がでていい感じに

順光で景色などを上手く撮るポイントはほんの少し横から撮ること!
被写体がしっかり写る反面、のっぺりした印象にもなりやすいので、少し横から撮ることで奥行を出すことができます。

逆光で撮影

逆光とは被写体の後ろから光が当たっている状態のことを指します。
背景が明るくなり、被写体が暗く写りやすいため、シルエット感や透け感のある写真になりやすいのが特徴です。

引きで撮ると、全体に透け感が出る

寄りで撮ると、より被写体のシルエット感が分かりやすい

逆光は難しそうに見えますが、実は雰囲気をつくりやすい光です。
被写体が暗くなりやすい分、立ち位置を少しずらしたり、角度を変えるだけで、印象的な写真になります。

サイド光で撮影

サイド光は、明るい部分と影のコントラストが生まれるため、平面的になりがちな写真に奥行きや表情を加えることができます。
人物の顔立ちや、物の凹凸、素材感を伝えたいときに効果的です。

サイド光で撮った場合 陰影があって質感が分かりやすい

順光で撮った場合 はっきりと映るが奥行が分かりにくい

サイド光は、被写体に表情をつけてくれる光です。
横から光が当たることで影が生まれ、写真に立体感や奥行きが出ます。

3. 被写体との距離と構図 ― 「寄り」と「引き」と「構図」で物語を作る

原さん

光の取り入れ方とあわせて、写真の印象を左右するもう一つの大切な要素が「構図」です。
この2つを押さえるだけで、写真の完成度は大きく変わります。

写真を撮るときは何を主役に撮りたいのかをしっかりと決めましょう。

寄りで撮影

被写体に近づいて、表情や細かな部分を大きく写す撮り方です。
主役をはっきりさせたいときや、伝えたいポイントを強調したいときに効果的です。

引きで撮影

被写体から少し距離をとり、周囲の風景や状況も一緒に写す撮り方です。
被写体が置かれている「場所」や「背景」が伝わり、写真にストーリー性が生まれます。

中途半端に引かず、思いきり引いた状態で撮るのがオススメです。

引きの写真を撮るときは、人が普段見ている目線や角度からあえて外してみるのがポイントです。
いつもとは違う高さや視点から撮ることで、見慣れた景色でも新鮮に感じられ、印象的な一枚になります。

構図を決めて撮影

日の丸構図

被写体を写真の中央に配置する構図のことを指します。
被写体をはっきり主役として見せたいときやシンプルな写真にしたいときにオススメの撮り方です。

三分割構図

画面を縦横それぞれ3分割し、その交点やライン上に被写体を配置する構図です。
グリッド線を目安にすることで、自然でバランスの良い写真になりやすいのが特徴です。

構図に困ったら、被写体を真ん中に置くか、右下に置いてみましょう。
あえて思いきり構図を外してみるのもおすすめです。
思いがけず、印象に残る面白い一枚が撮れるかもしれません。

4. 撮った後のひと手間で写真はもっと美しくなる

原さん

スマートフォンには「撮って終わり」ではなく整える機能があります。
プロの現場でも、撮影後の調整は写真づくりの一部です。

明るさや傾き、色合いなどをあとから調整できるため、「少し失敗したかな?」という写真も問題ありません。

iPhoneで写真を編集する手順

写真アプリから撮影した写真選択 > 編集ボタン > 「調整」「フィルタ」「切り取り」を設定する

写真アプリから編集ボタンを選択

調整機能で彩度をあげる

フィルタ機能でドラマチックに

実際に編集したら・・・

《 ビフォー 》

撮影してそのままの状態

《 アフター 》

フィルタを適用したら鮮やかに!

Androidで写真を編集する手順

写真アプリから撮影した写真選択 > 編集ボタン > 「調整」「フィルタ」「切り取り」を設定する

写真アプリから編集ボタンを選択

調整機能で彩度をあげる

フィルタ機能でドラマチックに

実際に編集したら・・・

《 ビフォー 》

撮影してそのままの状態

《 アフター 》

フィルタを適用したら鮮やかに!

5. 読者へのメッセージ

原さん

「いい写真」は、カメラの性能だけで決まるものではありません。
実は、プロのカメラマンであっても、1枚で完璧な写真を撮ることはほとんどないんです。

何枚もシャッターを切り、その中から「これだ!」と思える一枚を選ぶことが、写真の楽しさでもあります。

また、写真は撮って終わりではありません。
撮った写真を見返したり、飾ったりすることで、日常の中に自然と写真が溶け込んでいきます。

ぜひ気に入った一枚を身近な場所に飾ってみてください。
それだけで、写真を撮ることがもっと楽しくなり、暮らしの中で続けられる素敵な趣味になっていきますよ。

原 啓之(はら ひろゆき)profile

1977年生まれ。
ウェディングを中心に15年以上の撮影キャリアを持つプロカメラマン。

オーストラリア・メルボルンで写真を学び、現在は「melb-photography」として全国各地で活動。フランクな人柄で、撮影現場ではリラックスした雰囲気づくりを大切にしている。

また、収益の一部を国連UNHCR協会やPlan Internationalへ寄付するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

原 啓之さん
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